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R3-1 塗り版築仕上げについて

2021年2月17日掲載建築トピックス

今回紹介させて頂くのは、古くは中国の「万里の長城」やスペインの「アルハンブラ宮殿」にも使用されている版築の略式版である塗り版築仕上げについてです。版築は蓄熱性、耐久性、更に強度があり、そして何よりその視覚的な印象は独特なものがあります。版築壁には自然な温かみや職人の技が感じられ、現代建築との繋がりを感じます。

本来の版築はもみ殻に消石灰、更に土や砂利等を入れ、混ぜ合わせたものに約15%の塩化マグネシウム水溶液を少しずつ入れながら良く混ぜ、板などで囲った中に投入し、一層ずつ混ぜるものや色を変えながら上から突き固めていきます。

一層ずつ突き固めたその表面の表情はまるで地層のようにも見えます。しかし、本来の版築を施工するには大量の土や砂利を使用する為、重くなり、施工に日数がかかる事から、現代の建築現場ではあまり採用されないようです。それに比べ今回の塗り版築仕上げはコンクリートやボード面にコテで塗れ、厚みも10mm-15mm程度と非常に薄く、本来の版築と比べ格段に施工がしやすくなっております。

ただしそれでも一日に4~5層程度の施工となります。また外部での作業なので雨に濡れないように養生を全体にかけながら行う必要があります。無垢の版築ではなく、あくまでもそれを模した仕上げになりますが、その表情は決して本来の版築に負けない風合いとなっております。

この建物はレンガ積みが主役で、名脇役が塗り版築ですが、見方によってはこの版築が主役的存在にもなり得る仕上げでもあるので、非常に見た目も楽しめる建物に仕上がったと思います。